今求められるDXとは?
【CEO COLUMN Vol.1】

皆様、はじめまして。株式会社DNTI代表取締役社長の西村大輔です。
この度、新たに「CEO COLUMN」を立ち上げることになりました。このCOLUMNでは、私自身の経験や知見をもとに、業界の動向や皆様のビジネスに役立つ情報をお届けしていきます。
記念すべき第1回目のCOLUMN記事では「今求められるDXとは?」というタイトルのもと、DX(デジタルトランスフォーメーション)について私の見解を交えてお話しします。
DXは企業の成長や競争力強化に欠かせない重要なテーマです。
ぜひ、最後までお読みいただけますと幸いです。

DXの定義について

DXには多くの定義がありますが基本的には新しいデジタル技術を駆使して「既存業務の効率化」「付加価値業務の追加」「新事業の創出」までを目指す取り組みです。その内容は取り組みやすいものから難易度の高いものまで様々です。

なぜDXを進めていく必要があるのか

日本企業は失われた30年(競争力低下)、少子高齢化、コロナ禍、働き方改革など、様々な課題に直面しています。こういった課題を乗り越えるためにDXは必ず必要なものとなっています。
そもそも現在の社会全体でモバイルやクラウドの進展によりBtoBやBtoCの取引がデジタル化されています。企業が今後の社会の流れを汲み成長していくためにもDXを進める必要があり、その流れに乗らざるを得ない状況です。

DXが進まない原因は何か

以下のような大きく3つに表す原因がDXの進行を妨げていると考えています。
⚫︎DXに必要なデジタル人材の不足
⚫︎既存システムの技術の老朽化、肥大化、複雑化、ブラックボックス化
⚫︎新規事業や新サービスの創出に対する経営上の問題

DXに必要なデジタル人材の不足

近年ではAIなどの新しい技術やクラウド技術だけでなくユーザー体験(UX)やビジネスも理解できる人材が求められている傾向にあります。
こういった人材の育成が追い付いていない現状もDX化を妨げる要因の一つに他なりません。

既存システムの技術の老朽化、肥大化、複雑化、ブラックボックス化

長らく使われてきた既存システムは高コスト構造を生み出しDXへの経営資源のシフトを妨げる原因となっています。
経済産業省が指摘する「2025年の壁」ではDXを推進するためにはデータ活用が不可欠であり、そのためには2025年までに複雑化した既存システムの課題を解決する必要があります。これが達成されなければDXが阻害されるだけでなく経済的な損失も大きくなる可能性があります。

新規事業や新サービスの創出に対する経営上の問題

経営層からの指示で「新規サービス」のアイデアや企画を作成しても経営層は「前例のないサービスやアイデアではなく量産できるサービス」を求めることが多く、その結果DXを用いたアイデアが潰されてしまうことがよくあります。
また、製造業などで市場投入前に訪れる「死の谷」は新規サービス立ち上げにおいてはプロダクトローンチ後に訪れます。これはACV(Annual Contract Value)と対象顧客がフィットせず売上の伸びが頭打ちとなり成長が止まる、またはビジネスモデルが破綻している状態です。

DXに反対する人にはどのような特徴があるか

絶対的な特徴というよりも無意識の固執に陥っている場合がよく見受けられます。
ざっくり分類すると以下のような人たちです。
⚫︎既存の成功体験にとらわれている人
⚫︎新しいアイデアの実証に対する投資を渋る人
⚫︎自らの仕事がデジタル技術によって失われることへの危機感がある人

既存の成功体験にとらわれている人

経験してきた量産型の事業にだけとらわれてしまい、小さなアイデアを数多く、短いサイクルで試行錯誤することが難しくなってしまっている場合が多いです。既存の経験では得られない、DXを通じたアイデア創出に結び付かなくなってしまった人などですね。

新しいアイデアの実証に対する投資を渋る人

既存の成功体験にとらわれている人にも当てはまりますが、既存システムの維持には簡単に「億単位の決裁」をするのに、小さなアイデアを実証するための「500万円の決裁」を躊躇してしまうケースがあります。
こういった投資を渋る人が多い会社では、DXの推進がどうしても難しくなってしまいます。

仕事がデジタル技術によって失われることへの危機感がある人

AIに代表されるデジタル技術により自らの仕事がなくなってしまう、もしくは価値を下げることになるかもしれないという危機感を持っている場合です。
ただ、こういった場合DXにおけるデジタル技術がどういったものかを正しく理解できていない人も多く見受けられます。DXを進めていくことで、業務がより自由に広がる可能性や、新しい価値あるサービスの創生に繋がることへの発想力や想像力が不足しているように感じます。

DXでよくある失敗例

なかなかハッキリとは言い難い部分ではありますが……ここでは分かりやすく失敗例をランキング形式でお答えします。

第5位「ユーザー体験が理解できていなくて実行できない」

エンドユーザーが誰で、どのような顧客体験を潜在的に求めているか(社内ユーザーも同様)という視点がないため従来のIT化で進めようとして失敗してしまう。

第4位「社内の人材不足、パートナー選びができない」

DXとは何をするのか、DXを行うためにどんな人材が必要か分からないため適切な人材やパートナーの選定ができずに頓挫する。

第3位「何から実行して良いか分からない」

アイデアや思いを実行できる体制(人材)を創造できないため根本的にDXの計画を作ることができない。

第2位「予算を確保できない、企画が承認を得られない」

「小さく始めて、大きく育てる」手法を理解できていない経営層の理解不足、経営と現場リーダーの思いの乖離によってDXを進めるための準備すら滞ってしまう。

第1位「本質的でない取り組みを代替で実行してしまう」

ローコード/ノーコード、RPA、O365など目的のない手段だけをDXと誤認して導入してしまう。 手段だけを取り入れ既存業務に組み込んだとしても、それでは単なるデジタル技術の応用に過ぎません。

CEO COLUMN総括

第1回目となるCEO COLUMNの総括と共に、DX推進についての私の考えで括らせていただきます。
DXの成功には正しい理解と戦略的な取り組みが欠かせません。
先に述べたようにDX推進の妨げにならぬよう企業全体での協力体制と持続的な学習が何よりも必要です。そうやって、小さな成功を積み重ねることで大きな変革を実現していくことが重要です。
そのためにも、まずはユーザー体験やサービス開発/運用の経験がある人材を社内外問わず確保する。そして、本質的でない手段の導入は慎重に、本当にやるべきことを決めてから実行しましょう。
同時に経営層へのサービス開発と運用への理解を日々深めていかなければなりません。
私たちDNTIは皆さんのDX推進を支援していきますので引き続きよろしくお願いいたします。
当COLUMNはシリーズ化する予定となっておりますので、次回更新をお待ちください。
最後までお読みいただきありがとうございました。