DN Technology &
Innovation株式会社

「まず、やってみる」で
イノベーションを推進する。
DN Technology & Innovationを
DN Technology &
Innovationを
立ち上げた理由

2020年10月、DN Technology & Innovationが誕生した。事業構想、ファイナンス、テクノロジー、基幹システムの一線で活躍してきたメンバーによって立ち上げられた、ユニークな会社だ。各々の分野で順調なキャリアを積んできたなか、なぜあえて新たな会社の創業に参画したのか。
代表 西村大輔をはじめ、根本秀人、池田保、會田靖夏、石橋正章 ら創業メンバーに話を聞いた。

膠着状態にある日本の
イノベーション

まず西村さんにお伺いします。西村さんは幅広い業界におけるビジネスコンサルティング、大手IT企業での新規ビジネス立ち上げなど、多くのご経験をお持ちです。順調にキャリアを重ねられてきたなか、なぜ今、有志を集い、DN Technology & Innovationを立ち上げられたのでしょうか。
西村

今、まさに時代が変わろうとしています。新しい技術が生まれ、私たちの生活や価値観を変えるインパクトのあるサービスやビジネスが次々に登場しています。2020年のコロナ禍は、その流れを加速させる一つのきっかけともなりました。

大きな変化を起こしやすい今の時代は、まさに「社会をより良く変えるチャンス」が到来していると言えます。にもかかわらず、日本、とくに日本経済の中心をなしている大手企業が、そのムーブメントに入り込めていません。そこを変えたい。世の中を変えるチャンスなのに変えられていない、膠着状態にあるこの状況を変えたいと考えています。

確かに、「イノベーション」の重要性は日々謳われていますが、日本における成功例はあまり聞かれないように思います。その理由は何だとお考えですか?
西村

日本の大手企業は、「大きな投資」は得意なのですが、小さな投資でいろんなことにチャレンジすること、「小さな失敗」が苦手です。「短期間で利益を上げる」と見通せないものに対して予算やリソースが割かれず、目先の利益を上げる既存のビジネスに注力してしまうのです。
しかし、小さな失敗をしなければ、次の成長はありません。いきなり成功するビジネスを作ることができるなら、もうみんなやっています(笑)。今はいろんな技術が急速に進化し、サービスを受ける側のマインドも常に変化しているので、新しいものをどんどん試してみないといけません。ただ、現在の大手企業の枠組みでは、どうしても「大きな正解」を求めざるを得ないのです。
また、既存の肥大化した基幹システムの維持も、予算や技術者のリソースを食い、イノベーションへの注力を妨げています。

では、小さな会社なら良いのでしょうか? 小さなスタートアップが新規事業を起こせる可能性はもちろんあるとは思いますが、資金調達面・顧客規模の点から見ても、日本でいきなりUberが生まれ、業界を淘汰するかというと、それは実現しにくいように思います。

やはり、日本を代表するような大手企業さん自身が、ポートフォリオが変わるような新しいサービスを生み出していかなければ、社会を大きく変えることは難しい。大手企業には、それを可能とする人材や資本がたくさん眠っています。

私たちは、彼らと“同じ船”に乗り、リスクを共にすることで、小さな失敗を重ねて新しいサービスを生み出すことを可能にする「推進力」になりたいと考えています。

「同じ船」に乗り、リスクを共にすることで、
イノベーションの推進力となる

「“同じ船”に乗る」とはどういう意味でしょうか。詳しく教えていただけますか。
西村

新規事業を生み出す推進力となるには、「外からサービスを提供する」従来のコンサルティングのようなやり方では難しい。ビジョン・技術・リスクを共にし、一緒にチャレンジすることが必要です。

私は、いままでほぼ30年間、コンサルティングという裏方的なことをやってきました。しかし、コンサルティング経験が長いと染みついてしまうことは、「時間いくら」で動いてしまうことなんです。自分の持っている時間には限りがあるので、活動の天井が決まってしまう。そうした動き方で提供できることには限界がありますし、枠のなかで新規事業を立ち上げることは、難しいと感じていました。

この数年は、さまざまな企業に顧問的な立場でアドバイスをする働き方をしていたのですが、「時間」で計っていては会社を変えることはできないと考えて動いていました。とは言え、時間には限りがあります。できることとして取り組んだのは、自分が知っている適切なサービスを持っている会社をご紹介して、「この人たちと一緒に仕事をするといいですよ」とつなげることでした。

このような経験を重ねながら、私自身もチャレンジをしなければ、企業や社会をさらに大きく変えることは難しいと感じていました。また、大きく推進するには、ただ「つなげる」のではなく、自分たちが当事者となり、そのサービスを提供する必要があると考えたのです。

当事者として立ち上げのリスクをシェアしつつ、得られたレベニューもシェアする、投資をすることでキャピタルゲインを得る、というイメージです。大きな企業は新規事業を立ち上げるとき、そうしたリスクを背負って取り組みますが、負い方が「大手企業なりのやり方」になってしまいます。私たちが一緒に当事者となることによって、小さなリスクをシェアしつつ、小さな投資でいろんなことにチャレンジすることができます。

今回、新会社DN Technology & Innovationを立ち上げることにより、それが実現可能になったと感じています。事業構想、ファイナンス、テクノロジー、さらには基幹システムに関する知見が一つの組織のなかで融合することにより、「時間いくら」ではなく、「最終的に到達したい価値」を提供することができるようになったのです。

事業構想・ファイナンス・テクノロジー・
基幹システムの知見を融合する

今日、ここに集まった皆さんが、それを可能にしているのですね。事業構想、ファイナンス、テクノロジー、基幹システム。新規事業の立ち上げに欠かせない知見を持った方が揃っています。
西村

そうですね。「到達したい価値」の提供について、わかりやすい例ではファイナンスかと思います。新しい会社に投資をするという金融会社自体は、現在でも多数あります。しかし、彼らは「IPOが成功する」とか「キャピタルゲインが成功する」といった「成功」のために動くのが仕事なので、企業の善し悪しを見る基準が違います。言い換えると「どのようなサービスを提供して、それによって誰が幸せになるか」という点において、同じ方向を向きにくいのです。
同じ方向を向くためには、「同じ会社のなかにサービス構想もファイナンスもあったほうが良い」という発想が、立ち上げのきっかけです。私も自分でベンチャーを立ち上げたことはありますが、資本政策を考えてみると、専門家が考えるものとは視点が違いますし、当然持っている知識や経験の幅も違います。

ファイナンスの知見を持つ人が一緒の船に乗り、知見を縦横無尽に使いこなしてお客さまとの共創に活かすことができれば、こんなに強いことはない。ITなどのテクノロジーでも、同じことが言えます。

「同じ船」に乗って、同じ方向を向き、リスクも利益も応分に負うことで、今までにやれなかったことができる。世の中全体が向かっているオープンイノベーションを体現した形が、DN Technology & Innovationの存在なのではないかと考えています。

では、まずファイナンスを担う會田さんは、この新会社という“船”に期待していることはありますか?
會田※

ビジネスコンセプトからファイナンスまで、ゼロから作っていくことができることですね。お客さまは“同船する企業さま”になります。

もちろん「ゼロイチ」から作ること、お金を集めることは容易ではありません。いいビジネスを考える、資金調達をする、ITビジネスを作る…言うのは簡単なんですけど、実際厳しい競争環境のなかで作っていくという困難を、チームで乗り越えていくのが必要だと思います。同じ方向を向くことができる座組みであることで、それが実現しやすいと考えています。

昨今の背景を考えますと、ユニコーンと言われるスタートアップには巨額の資金(資金調達)が必要で、それが可能なのは米国と中国に限られます。特にプラットフォームビジネスというビジネスモデルでは、資金の面・潜在的顧客規模の面から米国と中国発のスタートアップに限られているというのが実態です。日本のスタートアップはプラットフォームビジネスで戦うのではなく、ニッチ領域や高い技術水準もしくは高付加価値サービスを訴求できる戦う場を定め、当該領域でのリーディングカンパニーを目指すことが定石です。

そこを目指すには、事業構想、ファイナンス、テクノロジーなどの知見が一堂に会する、この会社のような座組みが必要だと考えます。

池田さんはいかがでしょうか? 池田さんは、コンサルティングや事業立ち上げに多く携わり、西村さんと近い分野で活躍されてきていますが。
池田

私は、コンサルティングや新規事業立ち上げの経験は豊富であるものの、ファイナンスやテクノロジーなどの視点をあまり十分に持たずにきたのではないかと考えています。

企業にはそれぞれ、成長期、成熟期、衰退期などのフェーズがあります。私はさまざまな企業のコンサルティングに関わってきましたが、ファイナンスとかテクノロジーとかの力を使えば、もっと違うアプローチがあったのではと思うのです。
衰退期からの復活も違うやり方があっただろうし、成長過程にあるときの競争の仕方も変わります。ほとんどの企業では、そのように複合的な知見を持った競争の仕方ができていないのではないでしょうか。

新しい事業を創出することも多数経験してきましたが、その際にファイナンスとかテクノロジーとかの視点があれば、まったく違う「生み出し方」というのができるんだろうなと思っています。

西村さんが、「壁をドアに変える人」なので、そこが私にとっては大きいのです。事業構想の壁にぶつかったときにも、西村さんに相談すると、それを解決する「ドア」が見つかる。その西村さんがお声がけして集まった人たちだから、同じく「壁をドアに変えられる人たち」なんだろうなと。ファイナンス、テクノロジーと、自分には足りない知見を持つ人たちと一緒に取り組めるということに、非常にわくわくしています。

テクノロジーの一線で活躍されてきた、石橋さんはどのようにお考えですか?
石橋

私は、主にテクノロジーを担うとはいうものの、研究開発、サービス部門、セールス部門と、実は新規事業開発に関連する部門を一通り経験してきています。一つの部門の立場から見ると「正解」として推進されていたことも、違う部署の視点から見ると「それで本当にいいのか」と感じることは多くありました。枠を超えた目線から、本質的に大切なことは何かを考えないといけません。
事業構想、ファイナンス、テクノロジーが一体となっている、この体制はそこがやりやすいと考えています。

最初、西村さんから「ラボサービス」を作りたいというお話をいただいたのですが、もともと私がイメージする理想のラボは、技術部門に限定したラボではなく、お客さまとイノベーションを起こしていくことができるラボでした。ラボというと、R&D(研究開発)的な意味合いで捉えられることも多いですが、そのようなビジネス化と遠いものではありません。PoC(Proof of Concept:実証実験)を行ったり、MVP(Minimum Viable Product:商品やサービスの良さが伝わる最小限の機能を盛り込んだ商品・サービス)を作ったりしながら、事業を形作っていくリーン・スタートアップができる体制を整えたものです。

メンバーは、AIに強い人、DXのプロもおり、ウォーターフォール型ではなくアジャイル型の開発経験が豊富な人材が中心となります。アジャイルは主にクイック&ダーティーから徐々に品質を高めていくアプローチにはなりますが、基幹システムのアーキテクトとして経験を積んでいるメンバーもいるので、運用時のリスク、ポイントを抑えた上で進めることができます。よって、レガシーシステムとDXのギャップを埋めることも可能です。さらに、コストの高い国内だけでなく、中国などのオフショア拠点に信頼出来るパートナーもいます。
このように、いまの時代に多くの企業が不足して困っているケイパビリティを、我々が提供できると考えています。

基幹システムというお話がありましたが、DN Technology & Innovationでは、多くの企業が抱えている基幹システムの課題解決についても取り組んでいくと伺いました。一見、イノベーションとの関連性がわかりづらい領域でもありますが、この取り組みにはどのような意味があるのでしょうか。
これまで大手企業のシステム導入やリスク管理を多数手掛けていらっしゃった、根本さんが管轄されるのですね?
根本

DXの真の目的はテクノロジーを使ったビジネスモデル変革やイノベーション創出です。
短命短サイクルになったマーケットに対応するためには、テクノロジードリブンかつ短サイクルで新ビジネスを開発していく必要があります。
そのためにはAIやブロックチェーンなど、次々と出てくる新しいテクノロジーを習熟・習得していき活用する必要があるのですが、旧来のテクノロジーで築いた肥大化・硬直化した基幹システムにリソースが割かれているとどんどんスピードが落ちていきます。


※クリックすると拡大します


私たちはこれを3階層と捉えています。一階層目の「テクノロジーを使ったビジネスモデルの変革・イノベーション」のためには二階層目「新しいテクノロジーを活用したスマートな仕組みづくり」、三階層目「基幹システムのスマート化」が必要です。
企業によって優先度は変わりますが、どんな時でもDXは常にこの三階層で考える必要があり、あくまでも「テクノロジーを使ったビジネスモデルの変革・イノベーション」のためであることを忘れてはいけません。

弊社では各階層のDXに必要な人材が揃っているため、企業の状況に応じてスピーディーにDX化を進めるとともに、新たなことにチャレンジできるカルチャーの変革にもチャレンジしていきたいと思っています。

「まず、やってみる」。
スモールスタートを促す

今後、新しい事業を作っていくときは、どのように進めるのでしょうか。御社独自の「フレームワーク」のようなものはあるのですか?
池田

さまざまな企業の競争戦略を作るときに、だいたいそういう風に言われるんです(笑)。「どういうフレームワークで?」「どういうプロセスで?」「どう考えたら?」。

具体的にどのような手順で、どのようなフレームワークを使ったら新しいものが出てくるのか。もしその正解があったら、世界中の企業が競争戦略で優位に立てます。逆説的に言えば、そんなものはないわけです。

西村

方程式みたいなのを求められがちですね。成功したベンチャーとか、現在の日本の大手企業の創業時期などは、そんな方程式に基づいて作ってはいないと思います。

目の前にある何らかの素晴らしい技術、たとえばモーターを分解して、「どうやって作ってるんだろう?」と研究し、それよりいいものを作ろうとしたなど…何かに突き動かされて、まったく新しいものにチャレンジしようという衝動があったのではないでしょうか。

線をなぞるようなものではなく、歩いたところに道ができるといった感覚に近い。そうしたことを、今はやれなくなっているのではないでしょうか。

今、新規事業開発に求められているマインドとは、どのようなものでしょうか。
西村

「まず、やってみる」ということかな。

石橋

最近、新しいことを提案するときに、「まずこんな感じ?」と、プロトタイプなど、ある程度のやってみた結果を見せながら進めるケースが増えています。正解はわからないけど、良い方向に向いていることを確認しながら進められるように、具体例を示しながら積極的に意思疎通していく。そういったマインドセットが近いように思います。

子どもの頃、貰ったおもちゃを分解して中を知ろうとした経験がある人も多いと思いますが、こういった活動のためには「真実を理解したい」という好奇心が必要なのではないでしょうか。

會田

ビジネスは答えがない世界です。受験勉強はAかBかCか、答えがあるんですけど、ビジネスはそうじゃない。そういう世界でどうやって答えを見つけて、意志決定をしていくのかがポイントだなと。

フレームワークというのは武器のようなもので、持っておくことは重要だけど、持っているからといって絶対に勝てるわけじゃない。フレームワークはMECE(ミッシー)であって、あくまでもツールの一つ。それに頼りすぎてはいけないですね。

西村

やる前から、ああでもないこうでもないと言い訳を言うのではなく、「まず、やってみる」。そういうところに新しいものができると考えています。それをさまざまな企業の方と、一緒に取り組んでいきたいですね。

DN Technology & Innovationのこれまでにない組織の形が、どんなシナジーを生み、イノベーションを推進していくのか非常に楽しみです。本日はありがとうございました。
※ 會田はアドバイザーとして参画
會田 靖夏 : 独立系投資銀行 XIBキャピタルパートナーズ 取締役パートナー。数多くのM&A案件や大手企業及びベンチャー企業の資金調達案件に携わる。東京理科大学・東京理科大学大学院講師も務める(MBA、企業価値経営、M&A・資金調達、起業講座等担当)。